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June 30, 2021

アニマルライツ

Inobunポスター

Inobun京橋店でアニメーションDVDとアクセサリーの、展示販売をさせてもらうことになりました。展示タイトルは「アニマルライツ」、動物が動物らしく生きることができる権利。私たちの生活はたくさんの動物の犠牲の上に成り立っていて、そのことを知らずに生活を続けることは実に簡単なことです。自分から興味を持って調べなければ本当に何も見えない世界。この展示で一人でも多くの方に「アニマルライツ」という言葉に興味を持ってもらえたらいいなと思っています。

 

アニマルライツについて考え始めたのは、森達也の『よだかの星』というドキュメンタリー作品を見てからだった。1999年に「動物実験」をテーマに制作されたテレビ番組で、友人に借りたDVDに収録されていた。深夜に一人で何気なく見始め、あまりのショックに涙が止まらず朝まで眠れなかった。動物実験について私は知っていたはずだった。薬の開発や製品の安全確認のために動物実験は行われており、仕方がないことだと思っていた。でも『よだかの星』を観て、仕方がないと片付けて蓋をして良いことではないと気がついた。私が目と耳を塞いでいる間に、多くの動物が無意味な実験に命を使われている。

 

『よだかの星』で問われていたのは、本当にその動物実験は必要なのか?ということだった。日本は動物実験に関する規制が甘く、また動物実験を無くせという消費者の声も少ない。そのため世界的に見ても日本で行われている動物実験の数は多い。私たちの暮らしで使われるあらゆるものに、実に簡単に動物実験が行われている。シャンプー、石鹸、歯磨き粉、洗剤、化粧品、ドラッグストアで手に入るほとんどの物に動物実験は行われていることを知った直後、私は恐ろしさのあまりそれらのものを使えなくなり、日常生活がままならなくなってしまった。

 

どうして動物実験を恐ろしいと思うのだろう。私は肉を食べるし西洋医学に頼っている。これからもそれは変わらない。つまり全ての動物実験が怖いのではなく、無意味な命の使い方が怖いのだと思う。無意味か否かの選別は私個人の勝手な価値観で命に線引きする傲慢な行為だと思う。でもその線引きするためには、その動物実験の必要性をいちいち考えなければいけない。考えることが無ければ、知らないままに動物の命を消費することになる。その無知による命の浪費が恐ろしいのだ。

     

 

友人に動物実験のことを知ってからシャンプーを使えなくなったと相談したところ、「Leaping Bunny」マークを教えてもらった。動物実験をしていない製品にはこのマークがついている。残念ながらこのマークがついている日本製品は少ないのだが、選択肢があることを知れて本当に良かった。おかげで頭を洗うことができるようになった。

 

これまで何かモノを買う時の基準は値段だった。1円でも安いものを求め、節約することを最優先させてしまっていた。モノを買うという行為は選挙のようなもので、買うということはそのモノの製造理念に賛同していることになる。まだまだ知らないことだらけだけど、「知らないことを知る」ことができたのだから、これからは自分の消費行動に責任を持ちたいと思う。